夢の中の世界
吉之の言葉に恵里果は下唇を噛みしめ、そして両手で顔を覆って嗚咽した。


「恵里果……」


なにか声をかけようと一歩前へ踏み出したが、恵里果に睨まれて立ち止まってしまった。


「あんたのせいじゃん」


とても小さく震える声で恵里果が言った。


一瞬聞きとる事ができなくて首をかしげる。


「え、なに?」


その場で聞き返すと、今度は叫ぶような声で言った。


「あんたのせいじゃん!!」


それは紛れもなく、あたしへ向けて言われた言葉だった。


あたしは唖然として立ち尽くし、恵里果を見つめる事しかできなかった。


恵里果は目に涙をためてあたしを睨み続けている。


「あたしの……せい……?」


どうにか、震える声を絞り出して聞いた。
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