夢の中の世界
気分もスッキリしたし、これで日常生活へ戻ることができるのなら、無駄な時間じゃなかったと思える。


「あのさ……」


おずおずと声を出したのは真弥だった。


真弥はいつの間にかドアの前まで移動している。


「……水をさすようだけど、まだドアは開かないみたいだよ?」


震える声でそう言った。


「え、どうして!?」


あたしはすぐにドアにかけより、取っ手に手をかけた。


しかし、真弥が言うようにドアはまだ開かない。


事件の真相はわかったはずなのに、どうして!?


「今までの話を黒板で確認したんですけど、残るは珠先輩じゃないですか?」


一輝の言葉にあたしは「え?」と、目を見開いて動きを止めた。


「真弥先輩と貴央先輩はカラーボールの入手と販売。俺と由祐は更衣室での話。恵里果先輩は俺たちの話を吉之先輩の父親に暴露。恵一先輩は父親の車で事故。吉之先輩は、父親が実行犯。残っているのは、珠先輩だけですよ?」
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