夢の中の世界
「じゃあ、まずは俺から。俺は川本恵一、2年A組だ」


恵一がそう言うと、1年生2人が会釈をして返した。


それ以上なにかを言うことはなく、恵一はこちらへ視線を向けた。


同じA組の生徒から自己紹介するのがいいと考えているようだ。


あたしは恵一の考えをくみ取り、一歩前に出た。


「あたしも2年A組。井村珠です」


そう言って軽く頭を下げる。


これにも1年生の2人だけが反応してくれた。
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