夢の中の世界
2年のメンバーはみんな顔見知りだから、反応はなかった。


「あたしは貝野恵里果。珠と同じA組」


恵里果が早口に、そしてぶっきら棒に言う。


さっきまでは普通だったのに、なんだか機嫌悪くなったのだろうか?


こんな状況だから精神的にヒリついているのかもしれない。


2年A組の生徒はこの3人だけだった。


次いで、恵一は2年生に視線を向けた。


「俺は藤森貴央。2年C組。こっちは同じクラスの豊瀬真弥」


貴央はハキハキとした口調で自己紹介をして、真弥は貴央の半歩後ろで小さくお辞儀をする。


「同じC組の勝木吉之」


吉之は頭をかきながら言った。
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