夢の中の世界
恵里果が期待に膨らんだ声を上げ、さっそく体操着袋の中を確認している。
他のメンバーも、体操着を机の上にひっくり返し始めた。
「この体操着誰のですか? 全然洗ってないみたいですよ!」
1年生の由祐が悲鳴のような声を上げてしかめっ面をしている。
確かに、袋から出した瞬間汗の臭いが漂って来た。
「早く袋にしまってよ。その臭いで窒息死しちゃうから」
冗談半分にそう言い、次のロッカーを確認する。
全員分の体操着とシューズは確認できたけれど、それ以外のものはなにもなかった。
「なにもなかったね……」
恵里果が肩を落として呟く。
机にもロッカーにもなにもないんじゃ、これから先どうすれば外へ出られるのかわからなかった。
絶望にも似た感情が湧き上がってくるのを感じて、あたしは、無理やり笑顔を作った。
他のメンバーも、体操着を机の上にひっくり返し始めた。
「この体操着誰のですか? 全然洗ってないみたいですよ!」
1年生の由祐が悲鳴のような声を上げてしかめっ面をしている。
確かに、袋から出した瞬間汗の臭いが漂って来た。
「早く袋にしまってよ。その臭いで窒息死しちゃうから」
冗談半分にそう言い、次のロッカーを確認する。
全員分の体操着とシューズは確認できたけれど、それ以外のものはなにもなかった。
「なにもなかったね……」
恵里果が肩を落として呟く。
机にもロッカーにもなにもないんじゃ、これから先どうすれば外へ出られるのかわからなかった。
絶望にも似た感情が湧き上がってくるのを感じて、あたしは、無理やり笑顔を作った。