夢の中の世界
「大丈夫! きっと、どうにかなるから!」


根拠なんてどこにもなかったけれど、そう言わないと元気がでない。


下手をしたら、このまま座り込んで動けなくなりそうだった。


「これってさ、よくあるホラー映画みたいだよな」


ふと思い出したような口調でそう言ったのは貴央だった。


みんなの視線が貴央へ向かう。


その視線を感じながら、貴央は更に話を進めた。


「目が覚めたら隔離された部屋の中で、全員で殺し合いのゲームをさせられるんだ」


「ちょっと、やめてよ貴央」


貴央の腕を掴み、青ざめた顔の真弥が言う。


確かに、貴央が言うようなホラー映画やゲームは数多く存在する。
< 27 / 145 >

この作品をシェア

pagetop