夢の中の世界
「時計がどうかした?」


恵里果が首をかしげている。


「あたしがさっき時間を確認したときも、12時ちょうどだったの」


時計の秒針はちゃんと動いているのに、長針と短針だけ動いていない。


「壊れてるんじゃない?」


恵里果の言葉にあたしは「そうなのかな……?」と、呟いた。


ただ壊れているだけかもしれない。


だけどなんだか妙な胸騒ぎがしていた。


動かない時計を見た瞬間感じた、嫌な気分……。


ただの勘違いならいいけれど。
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