夢の中の世界
あたしはゴクリと唾を飲み込んで7人を見つめた。
恵里果は心配そうにこちらを見ていて、真弥は相変わらず貴央の後ろに隠れるようにして立っている。
恵一はどうにかこの場をまとめようと必死に動いてくれていて、1年生の2人はそれに従う形だ。
吉之は1人でなにかをずっと考え込んでいた。
「珠、なんでもいいから自分に関する事を話してみてくれない?」
恵里果に言われてあたしは「そんな事を言われたって……」と、口ごもる。
突然自分のことを言えと言われても、なにを話せばいいのかわからなかった。
それにこの状況だ。
自然と心臓が早鐘を打ち始めて、また呼吸が苦しくなってくる。
少しでもいいから、みんなの視線から逃れたくて下を向く。
それでも体に付きささる視線は否が応でもあたしを追い詰めていく。
「とにかくなんでもいい。趣味でも、嫌いな食べ物でも」
恵一が優しい声で言う。
怯えながら視線を上げると、恵一の優しい笑顔があった。
他の子たちとは違う、不安を和らげてくれるような笑顔。
そこであたしはもう1度大きく深呼吸をした。
大丈夫。
趣味や嫌いな食べ物を話したくらいじゃなにも変わらない。
自分自身にそう言い聞かせて、ゆっくりと口を開いた。
恵里果は心配そうにこちらを見ていて、真弥は相変わらず貴央の後ろに隠れるようにして立っている。
恵一はどうにかこの場をまとめようと必死に動いてくれていて、1年生の2人はそれに従う形だ。
吉之は1人でなにかをずっと考え込んでいた。
「珠、なんでもいいから自分に関する事を話してみてくれない?」
恵里果に言われてあたしは「そんな事を言われたって……」と、口ごもる。
突然自分のことを言えと言われても、なにを話せばいいのかわからなかった。
それにこの状況だ。
自然と心臓が早鐘を打ち始めて、また呼吸が苦しくなってくる。
少しでもいいから、みんなの視線から逃れたくて下を向く。
それでも体に付きささる視線は否が応でもあたしを追い詰めていく。
「とにかくなんでもいい。趣味でも、嫌いな食べ物でも」
恵一が優しい声で言う。
怯えながら視線を上げると、恵一の優しい笑顔があった。
他の子たちとは違う、不安を和らげてくれるような笑顔。
そこであたしはもう1度大きく深呼吸をした。
大丈夫。
趣味や嫌いな食べ物を話したくらいじゃなにも変わらない。
自分自身にそう言い聞かせて、ゆっくりと口を開いた。