夢の中の世界
さっきまでの反応とは明らかに違うそれに、あたしは1人で戸惑うばかりだ。


みんな、なにか知っているんだ。


あたしが忘れてしまったなにかを……。


恵里果と視線がぶつかって、あたしは思わず後ずさりしていた。


「ごめんね珠。珠を傷つけるかもしれない」


「なに……?」


そう質問しながらも、聞きたくなくて左右に首を振っていた。


恵一は青ざめて黙り込んでしまっている。


それは、恵一にとってもなにかよくない事なのだと、安易に想像ができた。


「恵里果何を言うつもり? あたしの事故に関係あることで、重要なこと?」


「そうだよ。たぶん、一番重要なこと……」


恵里果はそう言うと、視線を恵一へ戻した。


恵一は恵里果と視線を合わせようとしない。
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