夢の中の世界
だから、恵一はずっと顔色が悪かったみたいだ。
カラーボールを投げた犯人に狙われたのは恵一と、恵一のお父さんだった。
そこにあたしが巻き込まれてしまったのだ。
「でも、どうして恵一が狙われたの?」
そう聞くと、恵一は左右に首を振った。
「なにも身に覚えがないんだ。そりゃあ、少しは誰かに恨まれたりしていたかもしれないけど、あんな、命にかかわるようなことをされるなんて……」
「恵一のお父さんは?」
続けてそう聞いても、恵一はやはり左右に首を振った。
「俺の親父はいい人だ。あの日だって、俺を会場に送ってくれていたんだから」
「でも、外の顔はわからないだろ」
黙って聞いていた貴央が不意にそう言った。
「え?」
恵一が目を丸くして貴央を見つめる。
「別に、恵一の親父さんのこと知ってるってわけじゃないけど、自分の親のことなんて、ほとんどわからないもんだろ? 家にいるときの顔しか、俺たちは知らない」
「確かに、貴央の意見も正しいと思う」
恵里果が頷いて言った。
狙われたのは、恵一のお父さんだったのか……?
カラーボールを投げた犯人に狙われたのは恵一と、恵一のお父さんだった。
そこにあたしが巻き込まれてしまったのだ。
「でも、どうして恵一が狙われたの?」
そう聞くと、恵一は左右に首を振った。
「なにも身に覚えがないんだ。そりゃあ、少しは誰かに恨まれたりしていたかもしれないけど、あんな、命にかかわるようなことをされるなんて……」
「恵一のお父さんは?」
続けてそう聞いても、恵一はやはり左右に首を振った。
「俺の親父はいい人だ。あの日だって、俺を会場に送ってくれていたんだから」
「でも、外の顔はわからないだろ」
黙って聞いていた貴央が不意にそう言った。
「え?」
恵一が目を丸くして貴央を見つめる。
「別に、恵一の親父さんのこと知ってるってわけじゃないけど、自分の親のことなんて、ほとんどわからないもんだろ? 家にいるときの顔しか、俺たちは知らない」
「確かに、貴央の意見も正しいと思う」
恵里果が頷いて言った。
狙われたのは、恵一のお父さんだったのか……?