夢の中の世界
そう考えた瞬間、またカチッ!と音がした長針が動いていた。


一斉に時計へ視線を、向けると15分の場所に針が止まっていた。


「動いた……!」


恵里果が大きな声で言う。


「きっと、事故に関する重要な情報だったから動いたんだよ!」


あたしはそう言い、黒板にカラーボールについて書き加えた。


「でも、子供のイタズラっていう可能性もあるよね?」


恵里果が言う。


「そうだな。防犯グッズを家に置いている家庭もあるだろうなしな。子供でも持ち出すことができれば、イタズラで投げ落とした可能性も出て来る」


貴央が恵里果の考えに賛成したので、あたしは眉をよせた。


「たしかに防犯グッズを置いている家庭はあるかもしれないけど、カラーボールはちょっと特殊じゃない? あれは犯人に当てて使うものなんだよ?」


あたしは早口で言った。
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