夢の中の世界
「貴央や真弥は知らない間に事故を引き起こす原因になってたんだ。そんな風に、きっとここにいる全員が関わってる」


「どうしてそう言い切れるの?」


恵里果が恵一を非難するように言う。


どう頑張ってみてもこのメンバーで協力して脱出するしかない状況で、恵一の意見は反感を買っても当然なものだった。


もしもみんなが嘘をつき、真実をひた隠しにする展開になれば、あたしたちはいつまで経ってもここから出ることはできないだろう。


「事故の話をすることで時間が進んでるからだ。恵里果、お前もなんらかの形で関わってるんだろう?」


恵一の言葉に恵里果が目を見ひらいて「なんてこと言うの!?」と、叫んだ。


心からショックを受けたという様子で、その場に崩れ落ちてしまいそうになる。


あたしは慌てて恵里果の体を支えて恵一を睨みつけた。


「そんな言い方はないんじゃない? ちょっとひどいと思うよ」


あたしの言葉に恵一は表情ひとつ変えない。


「そうだよ、ひどいよ……。あたしは珠の親友なのに……!」


「事故に関係しているとは言ったけど、珠のこととは言ってないぞ? 珠が事故に巻き込まれたのは偶然だったはずなのに、なにか知ってるのか?」


たたみかけるるような恵一の言葉に、恵里果が絶句する。
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