手招きする闇
4 翌日朝 一年生の教室前 
       
 理子、一年生の教室を覗く。夕べの霊の存在無し。

理子「確か、この教室だったわよね・・・」
晴香「あれっ? 理子ちゃん」
      
 教室の中から晴香が声を掛けて来る。
  
理子「晴香ちゃんこのクラスだっけ?」
晴香「何か用事?」
理子「うん、実はさ・・・あっ、ちょっとこっち来て」
      
 理子、彼女を廊下に連れ出す。
 周りに生徒がいない事を確認すると、小さな声で夕べの話。
 それを聞いていた晴香から返ってきたのは、意外な言葉。

晴香「理子ちゃん、実は私、見えるんだ」
理子「えっ?」
晴香「理子ちゃんの言う通り、うちのクラスに、誰かいる」
理子「姿を見たの?」
晴香「うん」
理子「どんな人?」
晴香「男の子。たぶん、二年か三年」
理子「そう・・・。ねえ、晴香ちゃん霊と話せる?」
晴香「いやいや、そこまではさすがに無理」
理子「そう」
晴香「理子ちゃん、姿見たら、話せるんだよね?」
理子「まあ、相手次第だけどね。いくらこっちが話したくても、受け入れてくれない霊もいるし」
晴香「うちのクラスにいる霊ね、いつも窓際に立っていて、淋しそうなんだよね」
理子「そうなの」
晴香「あれ、昔この教室で死んじゃった人じゃないかな」
理子「ありがとう。調べてみるわ」
晴香「何かわかったら教えてね」
理子「オッケー。それじゃ」
 
 理子、自分の教室に向かう。
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