青い春と出会った恋


「もう来るって?」

「あ、はい。後1分で来るって言ってました」
「そっか。じゃあ俺もう行くわ。またな」

「あ、はい!」

多分部長…じゃなくて、吉永先輩はわたしが1人で待っているのを気づいて、一緒に居てくれたんだ。

そりゃみんなから愛されるわけだ。


吉永先輩は本当に部員からの信頼が厚かった。

2年生の様子を見てたらすぐにわかる。


時には厳しい部分もあったけど、きっと部活は部活、という一線を引いてわたし達と接してくれていたんだと思う。


だから、部活外で会うときはピリピリした雰囲気は一切なかったし、頼りになる先輩だった。


そうやって人を引っ張っていくのが上手なんだろう。


そう思っていると、めぐがやって来た。

「ごめん!お待たせー…って、え!花音!めっちゃ可愛いじゃん」

「もー!遅いよ」って文句の一つくらい言ってやるつもりだったが、最後の一言で忘れてしまった。


やっぱり褒められると嬉しいものだ。

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