青い春と出会った恋
「よかったの?声かけなくて」
「まー悠馬とは毎朝会えるし、また今度感想でも伝えるよ」
座り込んで話していると、「花音ー!」とクラスメイトに呼ばれた。
「一ノ瀬くん来てるよ」
「え?ほんと」
覗くと、廊下に立っている悠馬の姿が目に入った。
もう着替えてしまったのか、服装は制服に戻っていた。
「ヒューいいねぇ」
クラスメイトに弄られながら立ち上がって教室をでた。
「どうしたの?」
わたしが廊下に立っていた悠馬に声をかけると、悠馬は視線を上げた。
すると一瞬悠馬は固まったようにわたしを見つめた。
一日中サリーを着て学校内を回っていた為、だいぶ視線が気にならなくなっていたから、悠馬の視線に改めてサリーを着ているんだと実感した。
悠馬はわたしの問いかけに答えず、わたしは痺れを切らして再び声をかけた。
「おーい、悠馬?」
悠馬の意識をこっちに戻そうと、手をひらひらと悠馬の目の前で振った。