青い春と出会った恋
悠馬はそれだけ言うと満足したように「じゃあな」と去ってしまった。
なにが言いたかったのか、わたしには全くわからなかった。
納得いかないまま、振り返って教室に入ろうとすると、翔也がにやけた顔をして教室の窓から顔を覗かせていた。
「わ!ちょっと!びっくりさせないでよ」
「よかったじゃん。似合ってるって言われて」
「いやいや、そんなこと言われてないけど」
「あの王子姿、なかなかカッコよかっただろ?お前の衣装もなかなか似合ってる、って言いたいんじゃねえの?」
「えーほんと?回りくどすぎてわかんない」
「照れくさかったんじゃね?」
そういうものだろうか?
そう考えたが、人の考えなんていくら考えたってわからない。
だけど照れていた、と考える方が気持ちがいいから、そう思っておくことにする。