青い春と出会った恋


「おはよう。2人とも廊下で何してるの?」

「あー、実は2人に報告があって…」

「なんだよ?」

わたしは2人を廊下の壁側に連れて行った。

「実は…わたし彼氏ができた」

「えぇ!?」

2人の声がハモり廊下に響き渡り、何人かの生徒がチラチラとこちらを見た。


「ちょ、シーッ!」

慌てて人差し指で大声を出さないように合図をした。


「え?一ノ瀬くん?」

美希ちゃんと翔也には先輩から告白されたことを言っていない。

2人は先輩のことを知らないし、相談したい気持ちもあったけど言っていいのかわからず黙っていた。


「いや…部活の先輩」

「あぁーもしかしてさっきのやつ?」

翔也はどうやら後ろから見ていたようで顔をうっすらと覚えているようだった。


わたしはコクリと頷くと、翔也は「ふーん」とそれだけ言った。

< 174 / 213 >

この作品をシェア

pagetop