青い春と出会った恋


下校中も、やっぱりまだ少し緊張はするけど、登校時に比べたらまだましだった。

ちょうど部活終わり、ということもあって練習の話で盛り上がり、帰りはあっという間だった。


先輩と付き合って3日たった日、ようやく悠馬に会えた。


「じゃあ、行ってきまーす」

勢いよく玄関を出ると、道路によく見慣れた高級車が一台止まっていた。


すると後部座席の窓が開いて悠馬が顔を出した。

「よー」

左腕を窓際にのせて、軽く手を上げた。


「え!?どうしたの?」

「ちょうどこの辺来る用事があって、今連絡しようとしてたところ」

「あ、そうだったんだ」

「……で、乗ってかねえの?」

わたしがただ車の前にたっていて、乗り込む様子がないのを見越して悠馬が言った。


「えっと…実は待ち合わせしてる人がいて」

「あぁ、そういうことか」

「あ、ありがとね、わざわざ来てくれて」

「いや、ついでだって」

悠馬は「じゃ」と言って窓を閉めようとした。


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