青い春と出会った恋
担任の先生に候補として挙げられた学校は自宅から距離があって1時間近くかかってしまう。
家から近い学校だと自分のレベルには合っておらず勿体ないと言われた。
なんとなくだけど、いくつか候補はある。
だけど、一生に一度しかない大きな選択を、こう易々と決めてしまってもいいのだろうか?とそういう疑問が頭を過ぎり、なかなか決められずにいた。
「はぁー…」
思わずため息が漏れる。
それと同時に意欲も削がれてしまい、一気に集中力がなくなった。
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「あら花音。こんな時間からどこいくの?」
気分転換にコンビニへアイスでも買いに行こうと部屋を出ると、お母さんに声をかけられた。
「ちょっとそこのコンビニに行こうと思って」
「じゃあついでに、これコピーしてきてくれない?」
お母さんはカバンからファイルを取り出した。
これはどう考えても一枚だけじゃない。
明らかに5枚以上はある。