青い春と出会った恋

中学生の時も、何回かは会っていたけど、恋愛の話になんてなったことはなかった。

ーー全然、悠馬の気持ちに気がつかなかった。




最初は驚いたけど、次第に冷静になっていくと、嬉しい、という気持ちがほんの少し芽生えた。

だけどそれと同時に「どうしよう」という気持ちが生まれたのも事実だ。


悠馬は、わたしが先輩と付き合っているのを知っているから、だから自分の気持ちだけ伝えて去ったんだと思う。


先輩のことを好きになろうとしていた自分がいる。

でも、悠馬の気持ちを知って、揺らいでいる自分がいる。


どうして、自分のことなのに、こんなにもわからないのだろう。

これじゃ、先輩にも失礼だし、悠馬にも失礼だ。



ーーそもそも、わたし悠馬のこと好きなの?


問題はそこだ。


告白されたからと言って、「好き」という気持ちがこうも簡単に生まれるものなんだろうか。

その日は、自分の気持ちを一日中考えていて、眠りにつこうと思っても、考えがまとまらず、結局一睡もできなかった。

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