青い春と出会った恋


だけど、先輩はすぐにわたしの違和感に気づいた。


「…どうかした?」

「え?」

「いや…元気ないような気がして」


図星をつかれ言葉を一瞬失った。

「…昨日、ちょっと寝れなくて」

悠馬とのやりとりは伏せて、寝れなかった事実だけ話した。


こんな態度で先輩と接する自分を、本当に卑怯だと思う。

だけど自分でもどうすればいいのか、考えてもわからなかった。


それから先輩は「そっか」とだけ言って、いつも通り接してくれた。



教室に入って席につくと、美希ちゃんと翔也が声をかけてきた。

「よー」

「あ、おはよう」
「……元気ないけど、どうかしたの?」

美希ちゃんの第一声はそれだった。



心配そうに覗き込んでくる顔に、全てを見透かされそうな気がしてわたしは鞄から教科書を取り出すふりをして視線を外した。

「え?別になにもないよ?」

笑ってごまかすも、不安そうな顔つきは変わらない。


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