青い春と出会った恋



「はぁーお前なぁ、俺らを騙せると思うなよ」

ため息交じりに、呆れたように翔也が言った。

「いつもと様子が違うくらい、すぐ分かるっての」


その言葉に涙が出そうになった。

ーーこの2人には敵わないな。


心配かけまいとしていたのに、その事が逆に2人に心配をかけていたのかもしれない。


この2人の優しさに甘えようと、意を決して口を開いた。

「実は……悠馬に…」

その続きの言葉を発しようとした時、廊下からわたしを呼ぶ声が聞こえた。



「花音ー!」

教室のドアを見ると、元気よくめぐがこちらに向かって手を振っていた。


目線が合うと、めぐは躊躇なく教室に入ってきてわたしの側に来た。

「やほー…ってあれ?なんかタイミング悪かった?」


めぐはすぐにわたしたちの雰囲気に、何かを感じとったようだ。


< 210 / 213 >

この作品をシェア

pagetop