青い春と出会った恋
「はぁーお前なぁ、俺らを騙せると思うなよ」
ため息交じりに、呆れたように翔也が言った。
「いつもと様子が違うくらい、すぐ分かるっての」
その言葉に涙が出そうになった。
ーーこの2人には敵わないな。
心配かけまいとしていたのに、その事が逆に2人に心配をかけていたのかもしれない。
この2人の優しさに甘えようと、意を決して口を開いた。
「実は……悠馬に…」
その続きの言葉を発しようとした時、廊下からわたしを呼ぶ声が聞こえた。
「花音ー!」
教室のドアを見ると、元気よくめぐがこちらに向かって手を振っていた。
目線が合うと、めぐは躊躇なく教室に入ってきてわたしの側に来た。
「やほー…ってあれ?なんかタイミング悪かった?」
めぐはすぐにわたしたちの雰囲気に、何かを感じとったようだ。