青い春と出会った恋
「じゃあ、また連絡するから」
「あ、うん」
教室の前で悠馬と別れてわたしは教室に入った。
ガラガラと音を立ててドアを開けると、また妙な視線を感じ取った。
ーなんなんだ?
初日には感じなかった視線が突き刺さる。
自分の席の方へ視線を向けると、美希ちゃんと翔也もこちらを見ていた。
「お、おはよう」
「よう、お前さぁ」
席につくと小さな声で翔也に「耳を貸せ」と言われ顔を近づけた。
「あいつと付き合ってんの?」
「え?あいつって?」
「一ノ瀬悠馬さん」
美希ちゃんが小声で言った。
「あーいや、付き合ってはないけど…なんで?」
「一緒に登校してたってマジ?」
「え、そうだけど」
ついさっきの出来事なのに、何故二人とも知ってるんだろう?
「あいつには気をつけろよ」
「へ?どういうこと?」
「狙ってるやつがいっぱいいるから妬まれるかもよ」
「えぇ!?」
「わたし達、同じ中学だったんだけど、人気が凄かったのよ」