青い春と出会った恋


「わたし、別に好きな人がいるの」

「え!?そ、そうなの?」
思わぬ返答に驚いた。

「花音ちゃんも知ってる人よ」

知ってる人。そんなの限られている。
だって学校に来てまだ2日目しか経っていないから。


「え、え…もしかして翔也?」

「ひみつね」
美希ちゃんはにっこり微笑んで人差し指を口の前で立てた。

「え、ええー!も、もしかしてもう付き合ってたりするの?」

「ううん。まだ誰にも言ったことないから…知ってるのは花音ちゃんだけ」

そう言って優しく微笑んだ。



まだ出会って2日目なのに、そんな話をしてくれて嬉しい、という思いと、まさか美希ちゃんが、という思いと色々ごっちゃになって一人ニヤニヤしていた。


話によると、悠馬たちの通っていた中学校からほとんどの人がこの高校に来ているらしい。

悠馬は私立の、これもまた同じくお金持ちが通うような中学に行っていた。

その中学と常鱗高校はなんの繋がりもないけど、似たような校風のため、悠馬や美希ちゃんみたいに常鱗高校を選ぶ人が多いんだとか。


それに一般人はなかなかこの高校を選ばない、というより選べない。

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