青い春と出会った恋


「ねえ、もしかして経験者?」
そう隣の子が声をかけてきた。

「うん。中学の時やってたの。あなたも?」

「わたしも!もしかして去年の夏の関東大会に出てた?」

「え!出てたよ!」
わたしがそう答えると、やっぱり、という表情でその子が言った。

「わたしも関東大会出てたの!」

「え!そうなんだ!」

それから関東大会の話で盛り上がってわたし達は夢中で話した。


「あ、わたし平塚恵。めぐでいいからね」

「わたしは桜木花音。わたしも花音でいいよ」

お互い自己紹介がまだだったことに途中で気づいた。

とりあえず、部活で友達を作るという第二関門は無事突破だ。


説明が始まるまで、わたし達はお互いのクラスのことなど聞きあった。

どうやら、めぐも推薦で入学したらしくわたしと同じ庶民組だ。


クラスは違えど、部活は一緒だし仲良くなれそうと一安心した。


5分後くらいに先輩が教室に入ってきてわたし達の会話は中断された。

結局集まっているのはわたしを含めて5人ほどだった。
一人ずつ軽く自己紹介をさせられ、それがちょうど終わった頃に、さっきわたしに案内してくれた先輩が入ってきた。

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