青い春と出会った恋


ーー1日目の体験入部はあっという間に時間が過ぎた。

もともと火曜日は練習がない為、部活の内容を説明されたり、練習場を案内されたりというだけで終わった。


入部を考えている人が何人いるかというアンケートをとっていたけど、手を挙げていたのは3人だけだった。

めぐもわたしと同じく弓道部の推薦で入ったから、もちろん手を挙げていた。


「ねえ一緒に帰らない?」

「うん!…あ、ちょっと待って」
めぐに言われて、わたしは慌てて悠馬に電話をした。


『もしもし』

電話越しに悠馬の声が聞こえた。

「あ、わたしだけど…今ってまだ学校にいる?」

『あぁいるけど』

「ごめん!今日は友達と帰ってもいい?」

『おっけー、じゃあまた明日な』

「あ、うん。また明日」

それならもっと早くに知らせろ、くらい言われるかと思ってたのに、すぐに承諾してくれて少し驚いた。

別にわたしを待ってたわけじゃなかったのかーー。

悠馬ももしかするとどこかのクラブの体験入部に参加しているのかもしれない。

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