青い春と出会った恋
何だろう?
それにこの車。
わたしの住んでいる街に見合わず、えらく目立つ。
テカテカのお洒落な黒で、いかにも浮いている。
詳しくはないけど、かなり高級車だと思う。
珍しいな、なんて思いながらわたしは車を通り過ぎようとした。
その時ウィーンと窓が開く音が聞こえた。
「よー」
その声に反応してわたしは声のする方へ目を向けた。
「あ、悠馬」
車の窓から顔を出したのは、わたしの幼馴染だった。
確かお爺さんが有名な会社の社長で、かなりのお坊っちゃまだ。
「今からどこ行くんだ?」
「そこのコンビニまで」
「ふーん。俺も行くよ」
「え?」
「ちょっと車停めて待ってて」
悠馬は運転手にそう伝えると車から出てきた。