青い春と出会った恋
扉を開けて中に入ると、弓を引く鋭い音が聞こえてきた。
ーー誰か練習しているんだろうか?
静かに近づくと、部長の姿があった。
凛とした姿で、堂々と弓を引く部長の姿を見るのは実は結構好きだ。
多分後輩はみんな憧れるんじゃないだろうか?
気持ちのいい音がして矢が飛んでいった。
こんなのを独り占めしているなんて勿体無い気もする。
めぐに話したら羨ましがられそうだ。
これ以上部長の邪魔をしたらダメだ。
そう思ってわたしは背を向けて退散しようとした。
その時、バシッと激しい音がなりわたしは慌てて部長の方を見た。
弓が部長の腕に当たって音がしたんだろう、というのは容易に想像できた。
だけどわたしは頭で考えるよりも行動に出てしまっていた。