青い春と出会った恋
「ここんとこ調子悪くて、多分焦ってるんだろうな。他の3年も6月に引退だし…」
そこまで言うと部長は言葉を詰まらせた。
しかしすぐに口角を上げて「後輩に何いってんだろうな」と少し苦しそうな笑顔を見せた。
似た経験をわたしもしたことがある。
1人ずつする為、プレッシャーに押しつぶされそうになる時がある。
チーム戦なんかで戦うときはわたしが大前ーーつまり一番最初になることが多かった。
わたしがはじめに失敗すると他の仲間にまでプレッシャーを与えて迷惑をかけてしまう。
そういう思いがずっとあった。
弓道自体はとても楽しいし、弓を射る瞬間なんかとてもスカッとして気持ちがいい。
だけど、今の部長の気持ちは痛いほどわかる。
「あ、そうだ部長!紅茶とか好きですか?」
「え?まー好きだけど…」
突然何を言いだすんだ、という顔で見てきたが、わたしはそれを御構い無しにカバンから水筒を出した。