青い春と出会った恋
わたし達の競技の時間が近づき、それぞれ弓道衣に着替え始めた。
着替え終わると、わたしは鏡の前に仁王立ちした。
自分の姿をチェックするのももちろんある。
だけどこれは毎回わたしのルーティンで、鏡の前で必ず「大丈夫。うまくできる」と映った自分の姿に言い聞かせていた。
願掛けのようなものだ。
そうすることで自信がつく気がした。
弓道衣を着てこのルーティンをし終えると、自然と何かのスイッチが入る。
不安や焦りが消えるわけではないけれど、スッと邪魔な気持ちがいい緊張へと変わった。
弓道は他の競技と比べて一瞬だ。
バスケやサッカー、バレーなんかと比べると本当に一瞬で終わってしまう。
けれど、この一瞬で勝敗が決まってしまう。
わたしが今回出場するのは団体戦で、中の役割ーーつまり3番目がわたしの出番だ。
大前、2番、中、落ち前、落ち、という順番がある中で真ん中はあまり重要でないポジションのように思えるけど、実はそうじゃない。
いい流れの時はそのまま、落ち前に繋がなければいけないし、悪い時は流れを断ち切らなければいけない。
3番目で大きくチームの変わるのだ。
つまり的中率の高さが中には求められる。