青い春と出会った恋


もう場所を移動してしまったのかも。そもそも悠馬はこういう混雑したところ嫌いそうだし。

諦めて体を反転させ戻ろうとした時、前の人の足に躓いてしまった。


「わっ」

人混みでうまく自分の身体をコントロールできず、みるみるうちに上半身が地面へと近づいていった。


ーーもうダメだ。

そう諦めた時に、グイッと反対方向の力で腕が引っ張られわたしは地面に倒れ込まずに済んだ。


「なにやってんだよ」

「悠馬!」

顔をあげると探していた悠馬の姿がそこにあった。


「よかった!探してたの」

「俺も会えてよかったよ。そろそろ行かなきゃいけねえから」

「あ、そうなの?」

「あぁ4時から用があって」

だったらなおさら、いいタイミングで悠馬に会えた。

これを逃していたら会えていなかったかもしれない。


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