青い春と出会った恋
「ねえねえ、どうだった?わたしが弓道しているところ、初めて見たでしょ?」
こうやって友達に来てもらったことがない。
中学生の時はお母さんが引退試合に見に来てくれたけど、それ以外はなにもない。
部活仲間の友達や先輩に、わたしが引いている姿を見てもらうことはあるけれど、それとはまた違う緊張がある。
どんな姿で悠馬の目に映っていたのか気になった。
「かっこよかったよ」
悠馬はそう一言だけつぶやいた。
その一言に嬉しくなり、顔の口角が自然と上がった。
「ふふ。でしょ?」
嬉しさを隠しきれず、ニヤニヤしながら同意を求めた。
通路のど真ん中に止まって話し込んでいたわたし達は、人混みをくぐり抜けて空いている空間を探した。
不思議と悠馬が現れた瞬間、周りの人だかりが気にならなくなった。
さっきはあんなに歩くのさえ必死だったのに。