君のとなり。
鳴海くんの後を黙ってついて歩く。
階段を降り、いくつかの廊下を
曲がって調理室に入った。

「春瀬はそこ、座ってて。」

そう言われて近くにあった椅子に
じっと座っていると、やがて
鳴海くんが2つのボウルと
2枚のスポーツタオルを持ってきた。

「これ、お湯と氷水。
交代で目にあてておけば
腫れがなくなるから。」

手渡されたタオルを目にあてがうと
じんわりとあたたかい熱が伝わってくる。

「あ、ありがとう...
このタオル、鳴海くんの物だよね。」

私が朝、バスケ部に持っていった
タオルの色違いだったからすぐ分かった。

「それはちゃんと洗ったやつだからな?」

「そ、そうじゃなくて。
私なんかが借りてよかったの?」
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