君のとなり。
私が話を終えてしばらくの間、
鳴海くんはひと言も話さなかった。

じっと何もない虚空を見つめて
何かを考えているみたいだ。

そして1つ、質問を投げた。

「ミツキは、どうなったの。」

予想外の質問に戸惑いつつ答える。

「ミツキは、進学のタイミングで
受験して主人公の女の子とは
違う中学校に進学する道を選ぶの。
そこでもミツキは楽しく過ごしてる。」

そうなのだ。

私がこう全てを吐き出している間にも
ミツキは新しく出来た友人と
笑いながら語らっているのだろう。

それが羨ましく、妬ましい。

ミツキのことを考えるだけで
自分が自分じゃないと思えるくらいの
憎しみが全身を覆うのだ。
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