君のとなり。
「その女の子ってさ。
中学校では幸せなのかな。」

「わからない。だけど女の子にとっては
バッドエンドの物語だから、今後も
女の子が完全な幸せを掴むことはないよ。」

この物語の主人公は私だ。
それにはきっと鳴海くんも気付いている。

私は、完全な幸せがほしい。

ありのままの自分を好いてくれて
絶対に裏切らない友人がほしい。

もし私の頭が周りより悪くても、
とてつもなく要領が悪くても。

やっぱり私が好きだからって、
それだけの理由で自分のそばに
ずっといてくれる人がほしい。

こんな願い、きっと他の人は
とんでもない高望みというだろう。

嫌われたくない。だけどそれ以上に
卑下されて生きる生活の辛さを
嫌というほど思い知って、
ふと誰かにうちあけたくなったのだ。
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