君のとなり。
「やめ、てよ...」

「春瀬が本当にしたいことは、
本当に好きなことは......周りの奴らと
騒ぐことじゃ、ないんだろ?
朝、いつも小説書いて...」

「やめて......っ!
私はこうやって生きることしか
出来ない人間なの!
鳴海くんと違って私は
何も出来ない人間だから
人に好かれるってことしか
このクラスで、皆と同じようにに
過ごす方法がないんだってば!」

小説が好き。

物語が好き。

それは、誰も傷付かないから。

小説で描かれるのはほとんどが
フィクションで、その中でなにを
表現しようと傷付く人はいない。

だけど、言葉は違う。

言葉は口から出た瞬間に
周りを傷つける凶器となり得るのだから。
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