君のとなり。






「もう昔みたいに誰かに
嫌われたく、ないから...。」

呟きは闇に溶ける。

タオルをあてがっていたおかげで
腫れがひいてきていたはずの
目元にまた涙が溜まっていく。

「嫌われるのって、怖いよ。
胸が苦しくて、笑えなくなって、
周りを信頼できなくなる。」

俺もそうだから、と彼は言った。

「休み時間とか、授業中とか、
俺はいつも寝てるでしょ?」

その言葉に頷く。
鳴海くんは体育以外はほぼ1日中
自分の席で寝ているイメージだ。
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