君のとなり。
そう、評価というのはすごく恐ろしい。

悪い評価は、その人自身から
いろいろな物を奪い去ってしまうからだ。

「寝たふりをすることで周りの
率直な意見を聞いて自分が誰かを
傷付けてないか、誰かに嫌われるような
ことをしてないか確かめてるんだ。」

あぁ、本当の鳴海くんは
私と似ているのかもしれない。

私もときどきそういう方法で
他人の評価を確かめてしまうから。

「似合わないって言われると思うと
服とか髪型とか変えたくないよね。
いつも気をつかってなきゃいけない。」

私は無意識に前髪を撫で付けた。

「春瀬は、前髪あげたりしないの?」

そう尋ねられて首を横にふる。

「似合わないからあげないよ。」

苦笑いした次の瞬間。
< 120 / 129 >

この作品をシェア

pagetop