君のとなり。
ふわりと前髪が持ち上げられ、
眼前には鳴海くんの顔がドアップ。

「似合うじゃん。可愛いよ?」

こてんと首をかしげて微笑みながら
甘いセリフを吐く鳴海くんは
文句なしのイケメンでカッコ良すぎた。

「可愛くないのはわかってるから
今さら無理に言わなくてもいいってば。」

「俺、本気で言ってるんだけど?」

鳴海くんの言葉に気持ちが左右されて
私は茹でトマトみたいに真っ赤になる。

「冗談きついよ。」

同じクラスの生徒なら
乃南や夢葉の方が何倍も可愛い。

私は昔からずっと可愛いなんて
言葉とは縁遠いキャラだった。

「春瀬、俺の言葉は素直に受け取って。
ほんとにすごく可愛いし似合ってるよ?」

鳴海くんの指が私の前髪を
くるくると弄ぶ。
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