君のとなり。
「やめて、ってば。恥ずかしい...」

友達がハイスペックな私は
自分は飾りになることがほとんどで
褒められることにはなれていないから
しどろもどろ。

それを見て鳴海くんが笑うから、
つられて私もくすりと笑った。

自然と零れた笑み。
鳴海くんと話しているといつの間にか
明るく前向きな気持ちになっていた。

「後で呼ばれて疑われるのもだるいし、
とりあえず保健室は寄っとく?」

鳴海くんに尋ねられて私は少し悩み、
それから小さな声で言った。

「ごめん。迷惑かけるのはわかってる。
わかってるんだけど今は保健室に
どうしても行きたくないの。」

保健室。
紫苑とのことを思い出して
全てが嫌になってくる。
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