君のとなり。
「なんか、あったのか?......ごめん。
これ聞かれたくなかったんだよな。」

ハッとしたように謝る鳴海くん。
私は慌てて大丈夫だよというように
首をブンブン横に振った。

鳴海くんになら、話せそうな気がした。

「ううん、いいの。さっき足を捻って
保健室に行ったときに紫苑がいて。
それで......」

「うん。」

「キス、されたの。おでこにだけど。
それがすごく違和感があって。
紫苑のことは幼馴染みとして好きなのに
嫌だって思っちゃって。」

「...そっか。春瀬は間違ってないよ。
雪浦も、春瀬のこと好きだとしても
勝手にキスしていいか
って言われればそうじゃないから。」

鳴海くんの言葉は私の心を
すうっと溶かして軽くしてくれる。

答えを探して惑っている私を
正解へと導いてくれるんだ。
< 123 / 129 >

この作品をシェア

pagetop