君のとなり。
ヒヤリとする。

机やカバンの中にもない。
ノートの隙間にも、ない...。

焦って探していると、
クラスメートのうちの元気な子が
集まっているグループの中から
亜美の声が聞こえた。

「『こんな世界にはもう
存在していたくなんてないから。

私が消えたって、きっと誰も悲しまない。

それどころか、
気付きさえもしないかもしれない。』

なにこれ小説?やばすぎじゃん。」

持っていたカバンが
手から滑り落ちて音を立てて
床に着地した。

バン!

その音で皆が振り返る。

やめて、やめてよ。

そんな目で見ないで...。
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