君のとなり。
私は落ち込みそうになるのを堪えて
へらっと笑い、亜美の方に歩いていった。

「勝手に見ないでよ~。ほら、返して。」

手を出すと彼女はそれを完全に
スルーしたまま続きを朗読し始める。

「『昔から死ぬことに興味はあった。
今からどうしようと思い悩むよりも、
いっそのことあっさりと命を絶つ方が
楽な気がしてくる。』だってさ!

希衣って死にたいの?
そういうのって別に面白くないから
やめた方がいいと思う。

小説とか意味わからんし面白くないから。」

そこまで言わなくても、いいじゃん...。

私は別に死にたい願望があるわけでは
ないけれど、リストカットくらい
ならしたことがある。

いじめじゃない軽い攻撃に
心がゆらゆらと不安定になることも
最近は増えてきているから完全に
興味がないというわけでもなかった。

「はいはい、分かったから返して。」
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