君のとなり。
さすがに少しイラっと来たけれど
私は別にクラスの中心キャラとかでは
ないから、ここで亜美に何か言うと
クラスの除け者にされてしまうだろう。

「小説書くのって楽しい?」

千歳に唐突に聞かれ、
戸惑いつつゆっくりと頷いた。

「ん、私は好きだよ。」

「書くことのどんなとこが好き?」

なんでこんなに質問してくるんだろう。

「とりあえずルーズリーフ
早く返してほしいんだけど~。」

「いやいいから先に答えてよ。」

千歳は人気者だ。
それゆえ、周りが絶対に自分の
思い通りに動いてくれると
彼女はちゃんと自覚している。

その上でこんな発言をするんだ。

「好きだよ。小説って綺麗だから。
何にも染まってなくて、まだ誰にも
影響を受けてない自分の素直な
感情が見えるし。」
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