君のとなり。
ふらふらとおぼつかない足取りで
教室に戻り自分の席に着く。

目元が赤くなっているのが
バレないように机に顔を伏せた。

これなら、眠ったと思われるはず。

「え、希衣寝てんじゃね?」

「どうせ嘘でしょ、起きてるって。」

私ってそこまで信用ないのかな。
そう思うと余計に哀しくなってきて
顔を伏せたカーディガンが濡れる。

きーんこーんかーんこーん。

チャイムが鳴っても私は
机にぐったりと伏せたままだった。

「先生来んじゃね?」

「いーじゃん放っておけば。」

先生にもし怒られたら、
体調が悪かったって言おう。

次の授業は察しの良い数学の先生。
目が赤くなってるし
先生も気付いてくれるに違いない。
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