君のとなり。
先生が教室に入ってきたらしい。
皆がガタガタと立ち上がる音がした。

「春瀬さん、春瀬さん!!」

先生の呼ぶ声に立ち上がろうとすると、
誰かの楽しそうな声が聞こえた。

「せんせー、春瀬さん起きてますよ。」

「タヌキ寝入るってやつですよ。」

いやそれはタヌキ寝入りでしょ。

「そんなことはないでしょう。
ちょっと鳴海くん、
春瀬さんを起こしてあげて。」

先生の声で起きるタイミングを見失って
またもや鳴海くんに
迷惑をかける羽目になってしまった。

『言いたくないことだって、
あるじゃん。鳴海くんにぜんぶ
言わなきゃいけないの?』

さっき自分が鳴海くんに吐いた
最悪な言葉が頭を駆け巡る。

八つ当たりなんてするんじゃなかった。

起こってるだろうな、きっと。
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