人と兎【Rabbit side.】
初めて出会ったとき彼女はニコニコ笑っていた。

でも気づいてるよ。心の中で何かと葛藤して、苦しんでいたことを。



---------------゚.:。+゚----------------♡,゚.:。+゚-----------------------------------------------------------

私が彼女の家に引き取られて、最初はたくさん迷惑かけたよね。
私は縄張りを張った。彼女は「もう~!」と言いながら掃除をしてくれた。
壁をかじった。私は歯を伸ばさないためにやっていた。でも彼女は困ってた。
寝る前には鬼ごっこをした。
彼女は困った顔して疲れていたけど、私は楽しかったよ。
いつも彼女は可愛いかわいいといって私の写真を撮った。

首輪がイヤで噛みちぎったとき、彼女はびっくりしながらも私の名前をよんで大笑いしてた。
彼女が笑った。それだけで十分幸せ。


----------------------,゚.:。+゚---------------------------✡,゚.:。+゚-------------------------------------------

しばらくして彼女は本当の笑顔で私に笑いかけるようになった。
彼女の中の葛藤や苦しみがなくなったみたい。
理由はわからないけど、私のおかげだといいな。

彼女が初めて公園に連れて行ってくれたときは、本当に楽しくて嬉しくてはしゃぎ回った。
彼女はハァハァ言いながら付き合ってくれた。
リードは嫌いだけど彼女と走り回ることができるならこれもいいな、と思った。
初めての原っぱの感触、初めての川沿いの空気、初めて食べる草の味、初めて見る桜。
忘れないよ。

私が大人になって毛をたくさん抜いて部屋が毛だらけになっても、彼女は笑ってくれた。
「可愛い」って大笑いしながら私のジュニアなんだって家族に自慢げに見せながら、コレクションしてた。





私は彼女が大好き。
辛いときは癒してあげるからね、私のところに来てね。
ずっとずっと大好きだよ。
ずっと側に居てね。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop