美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「へえ、ここに来て元カレ登場とか朔也やっぱ゛持ってる゛わー」

「何を゛持ってる゛の?」

考え事から我に返った心晴は、雅樹と双子二人の会話一連の流れを聞き逃したらしい。

「いや、こっちの話。で、3人はこれからどこかに出かけるの?」

「いえ、私とミカは久しぶりの帰国なのでこれから実家に帰ります。瑠花、残念だけどここでお別れになるわ」

「了解」

エマのスマホがタイミングよく鳴り、二人の両親が迎えに来ている旨のメッセージが入ったと彼女は告げた。

立ち上がった瑠花とエマ、ミカは、揃ってハンバーガーショップを出る。

それに続く雅樹と心晴は、既に昼食は済ませたあとらしく、偶然瑠花を見かけたから声をかけたのだと白状してくれた。

雅樹と心晴は、これから新商品のプロデュースのことで湯川店長と話があるとかで、穂積堂に向かうらしい。

「じゃあな。瑠花。結果が出たら必ず連絡しろよ」

人前にも関わらず、ミカが瑠花を抱き寄せ、額にキスを落とした。

「ちょ、ミカ、人前」

「It’s not my concern.(知ったことか)」

ミカは肩を竦め意味ありげに雅樹と心晴をチラリと見た後、ゆっくりとエマの後を追いかけその場を去って行った。

「オッドアイって外国人にもいるんだな」

「外国人の方が日本人より確率は高いんですよ。私も純粋な日本人ではないですし」

はて、純粋な日本人って変な言い回しだと思いながらも、こうしてオッドアイのことを気にせずに話せるのもエマとミカのお陰だと、瑠花は思った。

「オッドアイ同士のカップルなんて素敵ね。何か運命的じゃない?」

心晴はうっとりと呟いている。

悪気はないのだろうが、今の瑠花にはきつい一言だった。

まるで、瑠花と朔也では同じフィールドでは生きていけないと言われたような気がして・・・。
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