美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「でも、狭間部長も但馬課長も、副社長夫人もみんな、二人の結婚は決定事項で秒読み段階だと言っていました」
「狭間心晴本人には聞いてみたか?アイツなら速攻否定するだろう。今の俺のようにな」
確かに心晴に確認する時間なら十分にあった。
ただ、本当のことを知るのが怖くて現実から逃げようとしていただけ・・・。
その結果が退職届の提出に繋がったのだから短絡的な思考だったとしか言いようがない。
だが、ライバル社に塩を贈ってしまったのは事実。
瑠花は居たたまれなくなって、ソファに腰かけたまま俯き、また泣きそうになっていた。
「責めている訳じゃない。ただ誤解があったなら解きたいだけだ。瑠花を泣かせたくないって言ったろ?」
このタイミングで、俺様だけではない優しさを滲ませるなんて反則だ。
眼鏡ありでもなしでも極上のイケメン。
しかも瑠花の初恋のトライアル男子もといツンツンデレ甘王子と同一人物なのだ。
惚れないわけがない。
髪をおろして眼鏡なしの朔也は、嫌でも大学生当時のとんがった雰囲気を彷彿とさせる。
照れた笑顔でトライアル商品の入ったショップバッグを差し出してきた美青年朔也。
その表情を思い出し、目の前の朔也と重ねてしまった瑠花の胸は最高潮に高鳴っていた。
「どうした?顔が真っ赤だぞ」
覗き込んでくる朔也の顔をとても直視できそうにない。
押さえつける必要のなくなった恋心は急速に膨らんでいく。
そもそも朔也に会いたくて、彼に成長した姿を認めてほしくて、穂積ソワンデシュブに入社したといっても過言ではない。
あわよくばそれをきっかけに仲良くなって・・・なんて妄想したのも一度や二度ではない。
まさか、その人物が穂積ソワンデシュヴの御曹司というオチまでついてくるとは考えなかったが、例え、遠く手の届かない王子様であっても、瑠花の大切な初恋の人であることは消しようのない事実なのである。
「狭間心晴本人には聞いてみたか?アイツなら速攻否定するだろう。今の俺のようにな」
確かに心晴に確認する時間なら十分にあった。
ただ、本当のことを知るのが怖くて現実から逃げようとしていただけ・・・。
その結果が退職届の提出に繋がったのだから短絡的な思考だったとしか言いようがない。
だが、ライバル社に塩を贈ってしまったのは事実。
瑠花は居たたまれなくなって、ソファに腰かけたまま俯き、また泣きそうになっていた。
「責めている訳じゃない。ただ誤解があったなら解きたいだけだ。瑠花を泣かせたくないって言ったろ?」
このタイミングで、俺様だけではない優しさを滲ませるなんて反則だ。
眼鏡ありでもなしでも極上のイケメン。
しかも瑠花の初恋のトライアル男子もといツンツンデレ甘王子と同一人物なのだ。
惚れないわけがない。
髪をおろして眼鏡なしの朔也は、嫌でも大学生当時のとんがった雰囲気を彷彿とさせる。
照れた笑顔でトライアル商品の入ったショップバッグを差し出してきた美青年朔也。
その表情を思い出し、目の前の朔也と重ねてしまった瑠花の胸は最高潮に高鳴っていた。
「どうした?顔が真っ赤だぞ」
覗き込んでくる朔也の顔をとても直視できそうにない。
押さえつける必要のなくなった恋心は急速に膨らんでいく。
そもそも朔也に会いたくて、彼に成長した姿を認めてほしくて、穂積ソワンデシュブに入社したといっても過言ではない。
あわよくばそれをきっかけに仲良くなって・・・なんて妄想したのも一度や二度ではない。
まさか、その人物が穂積ソワンデシュヴの御曹司というオチまでついてくるとは考えなかったが、例え、遠く手の届かない王子様であっても、瑠花の大切な初恋の人であることは消しようのない事実なのである。