美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
瑠花は、母の言葉を聞いて、ゆっくりと周りを見渡した。

見渡せば、そこには日本人だけでなく、アジア諸国からの観光客、出稼ぎに来ているらしい外国人、コスプレをしている高校生に、昔のチンピラみたいな格好をした集団など、様々な人達がいた。

彼らも何らかの悩みやコンプレックスを抱えているに違いない。

そんな中で生き方を模索し、信頼できる仲間や家族を信じて日々を大切に生きている。

瑠花はようやく、自分こそが自分を特別視して周りから孤立する道を選んでいたことを理解した。

人が変わるきっかけは様々だ。

ほんの些細な出来事だったり、何気なく発した誰かの一言だったり・・・。

瑠花は悟った。

オッドアイを隠し、カラコンをつけてここに来ることができた瑠花も゛自分゛。

ありのままの自分を認めてほしくて、だけど自分自身が人とは違う容姿を受け入れられなくて引きこもっている。

そんな瑠花も゛自分゛なのだと。

゛それならばできることから始めてみよう゛

人と違う容姿でも、堂々と日本というこの地に立つ母マリアのように・・・。
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